「味覚 味蕾 味細胞」東京顕微鏡歯科治療アシスタントYU
- 2016.02.27 Saturday
- 17:17
味覚と嗅覚は、化学物質の分子が口腔や鼻腔の感覚受容器と接触して生じることから、化学感覚といわれます。私たちは味覚と嗅覚神経系の働きによって化学物質の持つ味やにおいの強さを評価し、質を認識します。食べ物を味わうとき、味覚だけでなく、咀嚼された食物塊からにおい物質が揮発し、後鼻孔から嗅上皮に作用することにより嗅覚が起こり、両感覚が混じり合って風味を作ります。化学感覚に伴って生じる快・不快の情緒は、個体の生命保持に必要な食物や環境を選択する行動の動機となります。ヒト以外の動物では、嗅覚は遠隔地にある食物の探索や種族保存行動にも重要な役割を果たしているいわれています。
日常経験する多様な味の感覚は、基本となる味(塩味、酸味、甘味、苦味)の混合によって生じるとされ、これらを4基本味といいます。4基本味のほかにうま味が国際的に認知されていて特有の受容器も見いだされています。味物質の閾値は通常、一定量の溶液に口に含んで測定する全口腔法によって決められます。ある味溶液が水と違うと感じられる濃度を検知閾といいます。また、初めて味刺激の本来の味がした閾値を認知閾値といいます。全口腔法では舌運動や唾液分泌の個人差が測定値に影響を及ぼします。これに比べて、単一茸状乳頭を刺激する滴下法は信頼度が高く、全口腔法によるものよりずっと高いとされています。滴下法に比べ、全口腔法では刺激面積内の舌乳頭が多く、これら乳頭からの味信号に空間的加重(時間的加重と空間的加重)が起こるためと考えられています。
同じ方法で測定しても味覚の閾値には個人差が大きいです。苦味を呈するPTCの場合、個人差は特に著しく、閾値の出現頻度は二峰性となります。閾値が高いグループは味盲とよばれます。しかし、PTC味盲者は苦味の代表であるキニーネに対する閾値は正常です。PTC味盲は単純・劣勢遺伝で白人で約30%、日本人で8から15%の出現率です。PTCの代わりにプロピルチオウラシルが用いられることもあります。苦味に対する閾値は舌根部より舌尖部で低いです。また、軟口蓋の閾値は舌尖部より低いとされています。加齢に伴い味覚の閾値は上昇します。閾値上昇は軟口蓋で著しく、葉状乳頭ではわずかであるとされています。また、どの年齢層でも女性の方が男性より低い閾値を示します。味覚は順応が早いために、食物が舌の同一場所にあると味の強さが次第に弱くなります。舌運動をおこなって食物を移動させるのは、このような順応を小さくする効果があります。
味覚障害@日本口腔外科学会を主訴とする疾患は、味蕾に直接影響を及ぼす口腔内の上皮性病変が主体となります。舌苔、舌炎、口蓋扁桃炎、三者神経障害、などです。唾液分泌不足や血清亜鉛欠乏などの全身性疾患でも味覚障害がおこります。味覚異常の検査には、電気味覚計がよく用いられます。舌電極を陽極としたときは酸味を、陰極としたときはアルカリ味または苦味に近い感覚を生じます。
味覚器は味蕾とよばれ、この中に味細胞があります。味蕾は舌だけでなく、軟口蓋、口蓋垂、咽頭、喉頭にも分布しますが、大部分は舌面にある3種類の乳頭に存在します。茸状乳頭は舌の前方2/3野に分布し、味蕾は乳頭の表面にあります。葉状乳頭は舌の後方側縁の平行に切れ込んだひだに沿って並び、その後方野には8〜12個の有郭乳頭があります。この乳頭は円形で深い溝に囲まれ、直径も3mmくらいあります。味蕾は葉状乳頭と同様、側溝に面しています。舌にはこのほかの糸状乳頭がありますが、これみは味蕾がありません。ヒトの舌全体にある味蕾の数は平均5,235個で、そのうち30%(1,600個)が茸状乳頭に、28%(1,480個)が葉状乳頭に、残りの42%(2250個)が有郭乳頭に分布しています。茸状乳頭にある味蕾密度は舌尖部が舌中央部の4.6倍と高く、食品の味の質と量の分析に役立っていると考えられています。一つの味蕾は長さ約70μm、幅約40μmあり、味細胞(3型細胞)、支持細胞(1型および2型細胞)と基底細胞(4型)からなっています。味細胞は微腺毛を舌面向かって出し、細部底部では進入する味細胞腺維とシプナスをつくります。味細胞は支配神経が切断されると直ちに変性を始め、神経が再生すると新生します。味細胞は平均10.5日の間隔で新しい細胞と交替します。
ご参考までにどうぞ。
歯科衛生士国家試験まであと8日、受験生の皆さん、健康を第一に頑張りましょう^ ^
日常経験する多様な味の感覚は、基本となる味(塩味、酸味、甘味、苦味)の混合によって生じるとされ、これらを4基本味といいます。4基本味のほかにうま味が国際的に認知されていて特有の受容器も見いだされています。味物質の閾値は通常、一定量の溶液に口に含んで測定する全口腔法によって決められます。ある味溶液が水と違うと感じられる濃度を検知閾といいます。また、初めて味刺激の本来の味がした閾値を認知閾値といいます。全口腔法では舌運動や唾液分泌の個人差が測定値に影響を及ぼします。これに比べて、単一茸状乳頭を刺激する滴下法は信頼度が高く、全口腔法によるものよりずっと高いとされています。滴下法に比べ、全口腔法では刺激面積内の舌乳頭が多く、これら乳頭からの味信号に空間的加重(時間的加重と空間的加重)が起こるためと考えられています。
同じ方法で測定しても味覚の閾値には個人差が大きいです。苦味を呈するPTCの場合、個人差は特に著しく、閾値の出現頻度は二峰性となります。閾値が高いグループは味盲とよばれます。しかし、PTC味盲者は苦味の代表であるキニーネに対する閾値は正常です。PTC味盲は単純・劣勢遺伝で白人で約30%、日本人で8から15%の出現率です。PTCの代わりにプロピルチオウラシルが用いられることもあります。苦味に対する閾値は舌根部より舌尖部で低いです。また、軟口蓋の閾値は舌尖部より低いとされています。加齢に伴い味覚の閾値は上昇します。閾値上昇は軟口蓋で著しく、葉状乳頭ではわずかであるとされています。また、どの年齢層でも女性の方が男性より低い閾値を示します。味覚は順応が早いために、食物が舌の同一場所にあると味の強さが次第に弱くなります。舌運動をおこなって食物を移動させるのは、このような順応を小さくする効果があります。
味覚障害@日本口腔外科学会を主訴とする疾患は、味蕾に直接影響を及ぼす口腔内の上皮性病変が主体となります。舌苔、舌炎、口蓋扁桃炎、三者神経障害、などです。唾液分泌不足や血清亜鉛欠乏などの全身性疾患でも味覚障害がおこります。味覚異常の検査には、電気味覚計がよく用いられます。舌電極を陽極としたときは酸味を、陰極としたときはアルカリ味または苦味に近い感覚を生じます。
味覚器は味蕾とよばれ、この中に味細胞があります。味蕾は舌だけでなく、軟口蓋、口蓋垂、咽頭、喉頭にも分布しますが、大部分は舌面にある3種類の乳頭に存在します。茸状乳頭は舌の前方2/3野に分布し、味蕾は乳頭の表面にあります。葉状乳頭は舌の後方側縁の平行に切れ込んだひだに沿って並び、その後方野には8〜12個の有郭乳頭があります。この乳頭は円形で深い溝に囲まれ、直径も3mmくらいあります。味蕾は葉状乳頭と同様、側溝に面しています。舌にはこのほかの糸状乳頭がありますが、これみは味蕾がありません。ヒトの舌全体にある味蕾の数は平均5,235個で、そのうち30%(1,600個)が茸状乳頭に、28%(1,480個)が葉状乳頭に、残りの42%(2250個)が有郭乳頭に分布しています。茸状乳頭にある味蕾密度は舌尖部が舌中央部の4.6倍と高く、食品の味の質と量の分析に役立っていると考えられています。一つの味蕾は長さ約70μm、幅約40μmあり、味細胞(3型細胞)、支持細胞(1型および2型細胞)と基底細胞(4型)からなっています。味細胞は微腺毛を舌面向かって出し、細部底部では進入する味細胞腺維とシプナスをつくります。味細胞は支配神経が切断されると直ちに変性を始め、神経が再生すると新生します。味細胞は平均10.5日の間隔で新しい細胞と交替します。
ご参考までにどうぞ。
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