「歯根膜の構造と機能」東京顕微鏡歯科治療アシスタントYU

  • 2016.01.31 Sunday
  • 22:23
歯は強靭なコラーゲン性の支持構造、つまり歯根膜@船戸和弥さんホームページを介して、隣接する歯槽骨に接しています。正常な状態では歯根膜は歯根全周にわたる幅、役0.5mmほどの空隙を占めており、一側は歯根表面のセメント質に、他側は比較的密な骨板である歯槽硬線に停止する平行なコラーゲン線維を主な構成成分とする網状組織です。これらの支持線維は隣接歯槽部から、それより歯根側寄りの歯の表面に向かって走行しています。こうした配列は、正常な機能時に生じる歯の移動に抵抗できるようになっています。


歯根膜腔の大部分は、靭帯付着を構成するコラーゲン線維の束で占められいますが、靭帯を構成する2つの要素を頭に入れておく必要があります。

1 脈管系および神経系に加えていくつかのタイプの間葉細胞を含む細胞性要素
2 組織液

どちらも正常機能を果たすうえで重要な役割を果たしています。
歯根膜内の主な細胞性要素は未分化な間葉細胞とその子孫である線維芽細胞と骨芽細胞です。歯根膜を構成するコラーゲンは正常な営まれている間に絶えず改造され、再生されています。同一の細胞が新しいコラーゲン基質をつくる線維芽細胞と、すでに形成されたコラーゲンを破壊する線維破壊細胞になると考えられているそうです。骨性窩と歯根のセメント質のリモデリングと形態再形成もまた正常機能に対する反応として、小規模ではありますが絶えず生じています。歯根膜の線維芽細胞は骨芽細胞と似た特性をもっていて、新生骨は局所の細胞集団から分化した骨芽細胞によって形成されます。骨組織とセメント質はそれぞれ特殊な破骨細胞とセメント質破壊細胞によって取り除かれています。これらの多核巨細胞は骨組織やセメント質を形成する造骨細胞やセメント芽細胞とはまったく異なるとのこと。それらの由来については今も論議されているそうです。大部分は血液組織由来のものであり、なかには局所に存在する幹細胞から分化したものもあるのではと考えられているそうです。
歯根膜はそれほど血管には富んではいませんが、血管と脈管系由来の細胞を含んでいます。靭帯内には疼痛を知覚する働きをもつ無髄の自由神経末と、触覚や位置情報(自己受容性)を扱う複雑な受容器との両方の神経終末がみられます。
歯根膜腔は組織液で満たされていることを理解しておくことが大切です。この組織液は他の組織にみられるものと同一であり、脈管系由来のものです。維持力はありますが、多孔性の壁で作られた組織液の満たされた空間はショックアブソーバーの機能を果たし、正常機能時には歯根膜腔の組織液はまさにこのショックアブソーバーの役割を果たしています。

ご参考までにどうぞ^ ^

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