「摂食・嚥下機能と誤嚥性肺炎」東京顕微鏡歯科治療アシスタントYU

  • 2015.10.25 Sunday
  • 09:33
人間は生物です。生命あるものも生物といいます。生物の特徴は多様性であり、共通性があるということです。

1 からだがある
2 食べ物でからだはできている
3 成長する
4 寿命がある(子孫を残す自己複製能力がある)
5 動く・活動する(エネルギーの代謝)
6 健康なからだを自分で作り上げることができる(自己調整能力がある)

食べる機能、つまり摂食・嚥下機能は生物として、ヒトの基本的な機能であり、生きるために大切な機能です。「食」は単に栄養摂取の面からだけでなく、楽しみや喜び、そして家族や友人とのコミュニケーションの場所としての意味を持ちます。「食」をサポートすることはヒトをサポートすることです。歯科治療、食べる障害への対応(リハビリテーション)も、歯科衛生士が担う治療、メインテナンスも、その最終的な目的は「口から食べること」にあります。

疾病や加齢に伴う摂食・嚥下障害には生命に直結したリスクを伴います。機能低下を防ぎ、早期発見して対応することは患者の生命・健康を守ることです。

1脱水・低栄養
摂食・嚥下障害は脱水や低栄養を招くことが多い。むせるのを怖がるために水分摂取量が減って脱水になりやすく、また、むせによる食事の中断や摂取量の減少は低栄養につながります。

2誤嚥性肺炎
誤嚥により肺炎のリスクが高まる。誤嚥による肺炎を誤嚥性肺炎@日本呼吸器学会、もしくは嚥下性肺炎と呼びます。口腔内の細菌が唾液とともに胚に流入したり、胃液が逆流して肺に流入するのが原因です。誤嚥がそのまま肺炎になる訳ではないが、誤嚥性肺炎は高齢患者にとって非常にリスクは高い。誤嚥性肺炎は再発を繰り返すことが多く、患者の体力を奪い、抗菌薬への耐性が高まることで生命を脅かします。肺炎は高齢者の死亡原因の第3位です。その多くは誤嚥性肺炎が関連していると考えられています。誤嚥性肺炎の臨床判断基準に示されているリスク因子は以下の表をご参照ください。

口腔のケアにより、誤嚥性肺炎の発症や発熱の頻度を減らすという報告があります。この場合のケアは口腔衛生の確保による口腔内細菌数の減少と、口腔機能の向上によるリハビリテーションの相乗効果と考えられています。

3窒息
摂食・嚥下障害の大きなリスクに窒息があります。日本では食物による窒息で年間4,000人もの死亡者が出ているといわれています。窒息のリスクに関連する因子には、咀嚼機能の低下や認知機能の低下に加え、食事の自立があげられています。

からだが健康なときから、かかりつけ歯科医をもち定期検診を受けましょう。また「口から食べる」生きがいを持つづけられる日本人が増えるよう、歯科医療従事者は患者さんを歯だけでなく、ヒトとして診てあげることが大切です。

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