「口臭・揮発性硫黄化合物」東京顕微鏡歯科治療アシスタントYU

  • 2015.08.30 Sunday
  • 14:44
口臭はう蝕・歯周疾患に次ぐ歯科疾患といわれ、古くは紀元前500年頃、医聖ヒポクラテスが口臭治療を行ったと記録に残っているそうです。



口臭強度と相関する揮発性硫黄化合物(VSC)が主な口臭物質であり、口臭のただ一つの指標となっています。揮発性硫黄化合物には多くの化合物が含まれ、口腔内空気中では通常、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3種類が認められます。口腔内には多くの種類の細菌が常在し、多くの細菌が揮発性硫黄化合物を産生します。含硫アミノ酸のシステインから硫化水素を、メチオニンからメチルメルカプタンを産生します。細菌の種類によっては、システインからメチルメルカプタンを産生します。また、アセトアルデヒド、エチルアルコール、メチルアルコール、アセトン、アンモニアなども検出されますが、これらのガスと口臭との相関はなく、口臭の主な原因物質ではありません。また、臭覚閾値以下の揮発性硫黄化合物しか存在しない患者さんでも、悪臭とはいえない微かな臭いが検出されます。これが口臭の基礎臭となっている可能性もあると考えられています。

1 日内変化
口臭の1日の変化をみると朝食前の口臭が強く、起床時であればさらに強いです。朝食後の口腔清掃により減少し、昼食時まで増加し続けます。また、揮発性硫黄化合物量は朝食を禁止すると昼食まで一定となります。

2 生理周期の影響
生理周期は口臭に影響を与えます。排卵時、月経時、両者の間に口臭が強くなるパターンが見られます。

3 口臭産生の場
主な口臭産生の場は舌苔です。慢性辺縁性歯周炎が口臭の原因である場合も主な発生源は舌苔であり、全揮発性硫黄化合物の6割を産生します。

舌苔とは…
剥離上皮細胞、細菌、白血球、食物残渣よりなります。発現率は健常者の72%。幼年者、高年者に少なく中年に多い。歯周疾患、う蝕、清掃不良、喫煙で多くなります。全身疾患とは関係なく、口腔環境と舌苔発生に関連があります。

4 唾液分泌・ストレスと口臭
唾液が減ると口臭は増加します。とくにストレス下では唾液分泌は減少し、口臭は増加します。職業ストレスでも、明らかに口臭は増加します。

5 歯周炎と口臭
歯周炎が重症になるにつれて揮発性硫黄化合物濃度は上昇し、メチルメルカプタン/硫化水素比も高まります。この理由は歯周病原性細胞がメチルメルカプタンを大量に産生することでさらに歯周疾患の歯肉溝滲出液中でメチルメルカプタンの基質となるメチオニンが多いことも挙げられます。歯周炎の口臭も揮発性硫黄化合物の60%が歯周ポケットからではなく、舌苔から産生されます。

当院では初診の検査の際に、オーラルクロマによる口臭測定を行っています。

ご参考までにどうぞ^ ^

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