「口腔乾燥症および唾液腺機能低下と全身性疾患 」東京顕微鏡歯科治療アシスタントYU

  • 2015.07.26 Sunday
  • 01:10
口腔乾燥@日本口腔外科学会および唾液腺機能低下をともなう全身性疾患は数多く存在するが、最も多いのはシェーグレン症候群である。シェーグレン症候群は40〜50歳代の女性に多く発症する疾患である。臨床症状から、シェーグレン症候群は一次性あるいは二次性に分類される。一次性のシェーグレン症候群では唾液腺および涙腺が進行性に機能を喪失し、その結果とて生じる口腔乾燥および眼球乾燥が特徴である。二次性のシェーグレン症候群は、リウマチ性関節炎、全身性硬化症、全身性エリテマトーデスなどの結合組織疾患に罹患している場合に唾液腺や涙腺の一方あるいは両方が障害されて生じる。唾液腺内へのリンパ球浸潤は炎症性疾患の進行とともに増加し、最終的に腺房を変性、壊死、萎縮させ唾液腺の実質組織を完全に破壊する。シェーグレン症候群の診断には、唾液、涙、血清の検査による客観的な診断基準と、口腔乾燥、眼球乾燥という主観的な愁訴を組み合わせることが必要である。

シェーグレン症候群と関連し、唾液腺機能低下の原因となる他の自己免疫疾患にはリウマチ性関節炎、強皮症、などがある。HIV感染者およびAIDS患者もリンパ球による唾液腺の破壊と、薬物療法による続発症として唾液腺機能低下を経験する頻度は高い。糖尿病では唾液分泌の変化を引き起こすことがあり、血糖値のコントロール不良、末梢神経症状、唾液腺機能低下の間に関連性があるといわれている。アルツハイマー病、パーキンソン病、脳卒中、嚢胞性線維症、脱水症も唾液分泌を抑制する。

これまで、唾液腺の機能は加齢とともに低下すると考えられていたが、現在では健常高齢者における大唾液腺からの唾液分泌量低下に、臨床的有意差は存在しないことが認められている。加齢に伴っていくつかの唾液成分が減少するという報告がある。一方重要な医学的問題や薬物療法を伴わない場合には唾液の電解質およびタンパク質の量は年齢とは関係なく一定であることが報告されている。高齢者では様々な全身性疾患やその治療(薬物療法、頭頸部放射線療法、化学療法)が唾液腺機能低下に大きく関与していると思われる。高齢者の唾液腺は若年者と比較して薬物の有害作用に対して影響を受けやすいことが示されており、高齢者、特に薬物療法を受けている人において口腔乾燥症の有病率が高いという事実に裏づけとなっている。

ご参考までにどうぞ

参考文献「唾液ー歯と口腔の健康 原著第4版」

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