「口腔内細菌とプラーク」東京高画質マイクロCTスキャン顕微鏡歯科治療アシスタントYU

  • 2014.01.27 Monday
  • 07:05
口腔は消化器官、呼吸器官の開口部で自然界からの微生物の混入しやすく、湿度、温度、pHといった生理的な環境、細菌の定着できる場があることから常に数多くの微生物が常在しています。唾液中で約1億/ml、プラーク中には約1000億/mlもの細菌が生息しているといわれています。

アメリカの歯科医師ウィロビー・ミラー先生Willoughby Dayton Miller)が発表した「口腔内の細菌が食物中の糖質を分解、発酵し生じた有機酸の作用が齲蝕の原因である」という化学細菌説は現在も受け入れられています。では具体的にどのような機序で齲蝕が発生するのでしょうか。「口腔内細菌」と「プラーク」に注目して考えていきたいと思います。

まず歯は、唾液にさらされることによって約60分程度で歯面にペリクルを形成します。ペリクルは主にタンパク質で構成されていて、歯面を酸による脱灰から守る働きがある反面、ペリクルの成分と口腔内細菌が特異的に結合するという性質を持っています。このように形成されたものを初期プラークといいます。齲蝕の原因として有名な「ミュータンス菌」(初期定着菌)もこのように初期付着を果たします。

このプラーク形成初期に口腔内に頻繁にスクロースが摂取されると様々な口腔内細菌が産生する菌体外多糖によってプラークの歯面へのより強い付着(固着)がおこります。

具体的に、細菌の産生する菌体外多糖の酵素にはグルコシルトランスファーゼ(GTF)とフルクトシルトランスファーゼ(FTF)の2種類があります。ここで重要となってくるのが「S.mutans」(ミュータンス菌)だけがもつ合成酵素のGTFです。「S.mutans」は2種類の合成酵素をもち、ひとつは不溶性グルカン(ムタン)(α1−3結合)を、もう一つは水溶性グルカン(デキストラン)(α1−6結合)を合成します。口腔細菌の中で不溶性グルカンを合成する細菌はS.mutansのみです。不溶性グルカンのムタンは細菌が歯面に付着するのと、他の口腔内細菌を凝集する強力な付着凝集能があります。GTFが合成する不溶性グルカンによって他の口腔内細菌の固着と蓄積がおこり、厚みのあるプラークが形成され、バイオフィルムが形成されます。

適切な口腔清掃がなされない限り、これらの細菌の付着と増殖は続き、この中でミュータンス菌はスクロースやその他の糖を基質に代謝して乳酸を産生します。この間も耐酸性のミュータンス菌は生存、増殖し続け歯の脱灰が生じます。以上が「口腔内細菌」と「プラーク」が関わるう蝕の発生機序といえます。

ご参考までにどうぞ。

201401271051

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< January 2014 >>

【イリタニオフィス】

東京超高画質マイクロCTスキャン顕微鏡歯科治療専門 初診受付03-5638-7438 9:00am~18:00pm (木・日曜日・祝日は休診)1日数名限定・完全予約制・全個室。同時並列診療なし。歯周病治療・根管治療・虫歯治療すべて顕微鏡歯科治療、ラバーダム防湿法。

医療スタッフ所属学会

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM