「水と洗浄」東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントYU
- 2013.03.30 Saturday
- 20:23
「水と洗浄」
水は優れた数々の特性をもった驚くべき液体です。ふんだんに得ることができ、あらゆる生物に欠くことのできないものです。社会、家庭、工業において数多の用途があります。そして洗浄工程においても水は大切な役割を果たします。
水は、被洗浄物の汚れを溶かし、または浮き上がらせそして運び去るための媒体です。すべての洗浄基本作用にあるのが水です。正しく洗浄するには汚れを分解するか水に懸濁させ洗い流すことが必要です。水は多くの物質を分解しますが、残念なことにそれ単体では油脂、脂肪、タンパク質などの汚れを落とすには不向きな性質もあります。
汚れを洗い流すために、汚れをとかして浮かす必要がありますが、純粋には物の表面をなるべく濡らさないようにする性質があるため接した表面上でビーズ状になろうとします。水は極性を帯びているためそれぞれの水分子は他の水分子に囲まれひき寄せあっているのですが、水滴の表面では水分子は水側の分子とのみ結合しようとします。これが表面張力です。水滴は形を保ち拡がろうとしません。水は器材表面を濡らそうとしないので洗浄工程を妨げてしまいます。
肝心なのは、器材表面に接触しようとすること、つまり表面張力を弱めることです。表面張力を弱める添加物を水に加えることで、水は拡散し浸透力が高まります。この働きをする化学物質を界面活性剤といいます。その代表格が「石鹸、洗浄剤」です。
界面活性剤は親水性末端基(分子の片側が水と馴染む)、疎水性末端基(分子の逆側が油と馴染む)の性質をもつ物質です。これらの物質は表面張力を弱める作用があります。界面活性剤は脂肪や油脂を分解することができ乳化させ水に溶かす作用があります。また、汚れを水に懸濁させるのですすぎ時に水とともに洗い流すことができます。
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