「感染経路別予防策」

  • 2020.05.27 Wednesday
  • 15:33

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染経路は接触感染と飛沫感染といわれていますが、まだ明らかになっていないようです。

季節性インフルエンザの感染経路をご存知ですか。インフルエンザが流行する時期になると手洗いうがいをしっかりして、咳など症状があるときはマスクをしましょう!といわれます。しかし実際調べてみてわかったことは、インフルエンザウイルスの感染経路は接触感染、飛沫感染、空気感染と考えられるが、その割合は明らかになっていないのです。つまり感染経路は未だに明らかになっていないということです。インフルエンザのパンデミックの発生が科学的に証明されているのは1900年ころからです。スペイン風邪が1918年に大流行しました。それから100年以上経った今でも明らかになっていないのです。

とはいえ、インフルエンザウイルスに対してはワクチンと抗インフルエンザ薬があります。感染経路がはっきりしなくてもワクチン接種による抗体の獲得と抗インフルエンザ薬があるので、それなりに対応できていると考えられます。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染経路も今後明らかにならないかもしれません。感染経路がわからないとなると、ワクチンや薬や集団免疫獲得がない現状では全ての感染経路の可能性を考えて感染予防に努めていかなければなりません。

 

 

近年インターネットの普及により人と人が昔より関わらなくても生きていけるようになりました。そして今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)で、人と人が関わらない生活が新しい常識になるのかもしれません。これからを生きる子供たちがどう成長していくのか心配になります。人を成長させ、人を幸せにできるのは、人間だけなのに。すみません。ちょっと話がそれました。

では今回はインフルエンザの伝播経路について調べましたのでご紹介します。

 

インフルエンザの感染経路として考えられているのは、飛沫感染・空気感染・接触感染の3つの経路です。

 

 

飛沫感染は感染者の咳・くしゃみなどによって生じるウイルスを含む飛沫(通常直径5μm以上とされる)が他の人の鼻・目・口などの粘膜に直接到達することによって感染が成立するという経路のことです。この場合の飛沫は1〜2メートルの範囲にしか到達しないとされています。

空気感染は飛沫の水分が蒸発し乾燥し、さらに小さな粒子(5μm未満とされる)である飛沫核となり空気中を漂い離れた場所にいる人がこれを吸い込むことによって感染が成立するという経路です。

接触感染は、感染者と非感染者の直接の接触あるいは中間物を介する間接的な接触により感染する経路です。インフルエンザ感染の場合の接触感染としては、特に汚染された表面(机・ドアノブなど)を手で触れ、その手で自分の鼻・口・目などに触ることによって起こる間接感染が考えられています。

 

インフルエンザの感染経路としては上記の3つの感染経路が考えられますが、3つの感染経路がどの程度の割合で起きているかについてははっきりしたデータはなくさまざまな見方がされています。Brankston先生らはこれまで発表された論文の系統的な検討を行い、インフルエンザ感染の大半は飛沫感染もしくは接触感染で起きており、空気感染はあるとしても重要な感染経路ではないと結論づけています。飛沫感染がインフルエンザの重要な感染経路であるという見方は他の総説でも支持されています。

しかし実際に飛沫感染がインフルエンザ感染経路の大半を占めていることを実証した研究はありません。空気感染の重要性については大きく意見が分かれており空気感染はかなりの程度の割合で起きており新型インフルエンザ対策を考える上でも空気感染対策を念頭に置くべきだとする意見と、空気感染の存在はこれまで十分に実証されておらず空気感染はインフルエンザ感染に重要な役割は果たしていないとする意見があります。

 

接触感染についてもデータは非常に限られていて高齢者施設の流行の際にスタッフの手を介した流行の事例の報告などがあるのみです。接触感染が重要な感染経路であるとする主な根拠とされてきたのはインフルエンザウイルスの環境中での生存に関するデータです。Bean先生らによればインフルエンザウイルスは透過性のない金属・プラスチックなどの表面では24-48時間生存しており、透過性のある布・紙・ティッシュなどでも8-12時間生存しているとしています。それらの表面から手へのウイルスの移行は金属から手には24時間まで起こりえ、ティッシュからでもティッシュの汚染後15分ぐらいまでは手への十分な量のウイルスの移行が起こるとしています。しかし手に移行したウイルスは5分程度しか生存しないことも示されています。これらの結果から手などを介しての接触感染は十分可能であると考えられてきました。しかし手に移行したウイルスの生存時間が短いことなどから手を介しての感染は従来考えられていたよりも低い頻度でしか起きていない可能性も指摘されています。

 

感染していながら症状のない人が感染性を持つかどうかも対策を考える上では非常に重要となります。無症状の人も感染性があるということになれば、症状のある人への隔離や出勤の停止だけでは感染拡大を防げないということになってしまいます。潜伏期間内に感染性があるかどうかということは大きなファクターであるとされています。無症候感染が起こる場合として想定されているのは、感染して症状が出現するまでの時期、すなわち潜伏期間の感染性と、無症候感染、つまり感染しても症状のない人が感染性を持つかどうかということです。

インフルエンザの場合、季節性インフルエンザも新型インフルエンザもある一定の割合で無症候感染が起こると考えられています。発症前の潜伏期間にウイルス排出が見られることは示されていますが、症状のない感染者からもウイルスが排出されていることもわかっています。しかしここでもウイルスの排出があるということが、必ずしも感染性があるということではありません。

実際に潜伏期間に感染が起きていることを示唆するデータは非常に限られています。ウイルス排出は症状の重症度と強く相関するというデータや、無症候感染者ではウイルス排出のレベルが非常に低いとするデータもあり、無症候感染者が感染性を持つとしても症状のある感染者に比べればかなり感染性はそれほど高くないと考えられます。

通常インフルエンザ感染は飛沫感染・空気感染・接触感染いずれの場合にも感染者が咳・くしゃみなどを通してウイルスを周囲にまき散らすことが他の人へ感染を広げる条件となっています。ウイルス排出があるとしても咳・くしゃみなどの症状を持たない状態で無症候性感染が起こる可能性は低いとする意見もあります。
結論としては、明らかに高い感染性を持つと考えられるのは発症初期の有症者です。潜伏期間内や症状が軽快した後、あるいは無症候感染者にもウイルス排出が見られる場合もあるがこのような場合での感染性は発症初期の有症者に比べればはるかに低いと考えられます。ご参考までにどうぞ。

 

 

 

「新型コロナウイルスと次亜塩素酸水」

  • 2020.05.21 Thursday
  • 17:04

帯広畜産大学から次亜塩素酸水が短時間で強力に新型コロナウイルス(SARS-COV-2)を不活化することを証明する論文が発表されました。次亜塩素酸水のSARS-COV-2不活化活性は溶液の酸性pHではなく含まれる遊離塩素濃度に依存することが明らかになりました。

 

SARS-COV-2にに対する有効性が科学的に認めらているのはアルコール消毒液です。しかし、供給の不足が懸念されています。そこで注目されたのが次亜塩素酸水です。

 

 

 

研究内容と結果

 

1)次亜塩素酸水(EW酸性電解水)のSARS-COV-2に対する不活化活性について

pH2.5、含有遊離塩素(FAC)濃度74mg/LのEWを用います。ウイルス液とEWを1:9の比率で混合し1分間室温で反応させ、その後ウイルス力価(感染性を有するウイルスの残存量)をTCID50法により算出します。

※一定量のウイルスを含むウイルス液に感染した細胞は細胞変性を起こします。このウイルス液を希釈しある一定以上薄くなると接種しても細胞変性は起こらなくなります。そこで細胞を試験管のようなもので何本も培養しておきウイルス液を順番に希釈して接種し、ちょうど半分の試験管の細胞が感染する濃度を指して TCID50 と呼びます。

実験の結果、EWは1分の反応時間で99.99%以上のSARS-COV-2を不活化し、感染性を有する残存ウイルス量は検出限界以下となっていました。

 

2)EWのウイルス不活化活性が溶液の酸性pHに依存するか否か

中性リン酸緩衝液(PBS)やEWに加え塩酸を加えてpHが酸性になるように調整したPBSをそれぞれウイルス液と混合し1分間反応後の残存ウイルス量を評価しました。

実験の結果、1分の反応時間では単にpHを下げただけの酸性PBSはウイルスを全く不活化しませんでした。EWのウイルス不活化活性は溶液のpHに依存していないことがわかりました。

 

3)EW中の含有FAC濃度がウイルス不活化活性に及ぼす影響について

電解水で作製した直後の高濃度のFACを含むEW、および作製後に容器のキャップをせずに室温で17日間静置しFAC濃度を低下させたEWをそれぞれウイルス液と混合し1分間反応後の残存ウイルス量を評価します。

実験の結果、EWのウイルス不活化活性は含有FAC濃度依存的に低下することが示されました。

また、タンパク質を多く含むウイルスに対しては十分量のEW を用いればウイルスを検出限界以下まで不活化することがわかりました。

 

次亜塩素酸水の取り扱い注意事項 〜より効果的な消毒作用を維持・発揮させるために〜

1)適切に保管する。密栓し冷暗所での保管が推奨される。作製後長期間経過したものは使用を避ける

2)使用の際は十分な液量を用いる

3)極度に汚れている場所や手指の消毒に関しては、次亜塩素酸水を用いた複数回の拭き取りや洗浄を実施する。

 

 

当院では、以前から診療の前にパーフェクトペリオ@naomiさんという次亜塩素酸水でうがいをしていただいています。

また、現在は診療中にお口の中で使用するお水は次亜塩素酸水を使用しています。ご参考までにどうぞ。

「ノロウイルス関連胃腸炎対策」

  • 2020.04.30 Thursday
  • 17:19

ノロウイルス@厚労省は晩秋から冬季に流行するウイルス性急性胃腸炎の主なウイルスであるとともに食中毒の主要な原因病原体です。ウイルスの感染力は強く、病院などの医療施設や療養型施設において、毎年のようにアウトブレイク発生の報告がされています。

 

 

ノロウイルス胃腸炎の疫学

1 毎年10月下旬より始まり12月上旬から中旬ごろをピークとする流行がみられる。

2 ノロウイルス感染集団発生の約半数は人・人伝播(疑い)による。

3 ウイルス性の食中毒のほとんどはノロウイルスが原因である。

 

ノロウイルスのウイルス学的特徴

1 カリシウイルス科ノロウイルス属に属する一本鎖(+)RNAウイルスである。直径30〜40nm前後である。

2 多様な遺伝子群が存在し、遺伝子変異による抗原性の変化により流行を繰り返す。感染後の免疫維持が短期間にとどまる(6ヶ月〜2年程度)

3 ワクチンおよび特異的治療は存在せず、治療は対処療法のみである。

 

ノロウイルスの感染伝播要因

1 様々なウイルス学的特徴により施設内伝播を起こしやすい

・少量のウイルスで感染が成立

・多量のウイルス排出

・長期のウイルス排出(症状出現後8週間、平均4週間)

・遺伝子学的多様性、30以上の遺伝子型が人に感染する

・環境表面中で2週間、水中では2ヶ月以上感染性が維持される

・アルコール抵抗性であり、環境消毒には次亜塩素酸ナトリウムが用いられる

・嘔吐(半径2mまで飛沫)

・糞、嘔吐物、食物媒介、水系感染、汚染環境から感染、ヒト・ヒト接触感染など多様な感染伝播を持つ

 

ノロウイルス胃腸炎の臨床症状・特徴

1 24〜48 時間(最大12〜72時間)の潜伏期の後突然発症する

2 主症状は嘔吐および下痢であり特に嘔吐が特徴的である

3 症状は48〜72時間続き、その後急速に回復する

4 小児、高齢者、入院患者、施設入所者では重症例がみられる

5 軽症者、無症状感染者(最大30%とされる)も便中からウイルスを排出しておりこれが施設内のアウトブレイクの要因となっている可能性がある

 

ノロウイルス胃腸炎の診断

1 市中流行期においては便の迅速抗原検査より臨床診断が重要である。

2 重症例、入院例においては治療および感染対策の意義も含めて、ノロウイルスも含めた胃腸炎病原体の検査診断が推奨される

3 アウトブレイクが疑われる場合は遺伝子検査による感染者のとく知恵が必要である

 

隔離予防策

ノロウイルスは伝播力・感染力が非常に強く、集団生活施設で爆発的に広がる場合がある。感染拡大を防ぐためには患者隔離をする必要があり接触(感染)予防策下の個室に収容されることが推奨される、症状回復後でも4週間程度は便中にウイルスが排出されるため二次感染に注意が必要である。

 

感染防止策

ノロウイルスの感染を防ぐ上で石鹸、流水による手洗いを少なくとも20秒間行うことが効果的である。スタッフが病原体保有者となりウイルスを伝播する可能性もあるため、日々の石鹸・流水による手洗いを徹底する。特に体液に触れる処置を行った場合は手袋を外した後に石鹸・流水による手洗いを行う。また、有症状者に接触した場合は手指に見える汚れが付着していなくとも石鹸・流水による手洗いを行う。

 

アウトブレイク対応

1 急性胃腸炎の集団が検出されたら、積極的な症例調査を開始する

2 アウトブレイクが疑われたら、できるだけ早期に便検体(発症から2〜3日以内)の検体で検査する

3 吐物は便検体を比較してウイルス濃度がふ低いため感度が落ちる

4 アウトブレイク中は病棟内での患者の動きを最小限にする。不可欠なケア・治療以外の目的で有症状および回復期の患者が隔離区域から離れることを制限する

5 面会の制限を考慮し、面会者には手指衛生と接触予防策を遵守させる。ノロウイルスが疑われる面会者は面会を禁止する

6 アウトブレイク期間中は頻繁に接触した環境表面を清浄、消毒する頻度を増やす。

7 アウトブレイクが起こる前のトレーニングの一環として教育集会を開く

 

環境整備

ウイルス粒子の感染性を奪うには次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒するか、85℃以上で1分間以上の加熱が必要であるとされている。次亜塩素酸ナトリウムの濃度には様々な見解があるが、国立感染症研究所では200ppmで5分間、1000ppmで1分間の浸漬でノロウイルスをほぼ死滅させる消毒効果があるとしている。

 

 

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